2008年11月17日

小選挙区比例代表並立制の格差解消策/太田 堯久

 今月末に予定されていた衆議院の解散総選挙が見送りとなり、今のところ何時になるか不明であるが、近いうちに実施される可能性が高いようである。選挙が近くなると、毎回一票の格差が論議され、格差が2倍を超える選挙区をなくすために、選挙区の区割り変更をどうすべきか問題となる。この問題に対し、区割り変更をせずに比較的容易に格差を解消する方策を考え付いたので、諸兄のご参考に供したい。

小選挙区選出議員数(=選挙区数):K
比例代表選出議員数:L
議員総数:M=K+L
各選挙区の人口(または有権者数):N(i)  (i=1,2,・・・,K)
総人口(または有権者総数):T=N(1)+N(2)+・・・+N(K)
とすると、現行の制度での各選挙区での1票の価値V(i)は次式で表されると考えられる。

V(i)=1/N(i)+L/T   (1)
 
各区のV(i)を全て等しくM/Tにするためには、比例区の集計の際各区ごとに適当な重み付け係数w(i)を乗算すれば良いのではと、考え付いた。
この場合のV(i)は次式のようになる。

V(i)=1/N(i)+w(i)L/T   (2)

式(2)からw(i)は次式のように解ける。

w(i)=1/L(M-T/N(i))   (3)

式(3)により予めw(i)を計算して各選挙区に割り当てておき、比例区の集計の際、得票数にw(i)を乗算して全区で合算すれば、式(2)のように全選挙区で1票の価値が等しくなる。
w(i)がマイナスになると、この方法は使えなくなるが、w(i)>0 の条件は式(3)より
N(i)>T/M である。

最大格差2倍の簡単な数値例の試算を下記に記す。
K=5, L=4, M=9
N(1)=100, N(2)=125, N(3)=150, N(4)=175, N(5)=200
T=750
w(1)=0.375, w(2)=0.75, w(3)=1.0, w(4)=1.1786, w(5)=1.3125
w(1)→0まではまだ余裕があるので、格差2.5倍程度まではこの方式が使えると思われる。

posted by でんきけい at 01:00| Comment(2) | 太田(堯)レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この理論を了解しました。賛成です。世の中には、このように、殆ど理論的に解決できる問題が多いのですが(裁判のかなりの部分も、コンピュータによる条件設定=過去の判例など、と起訴事実=インプット、をベースに、理論演算で判決が出せると思いますが)、それをやってはあまりに味気ないというのか、人間の本能的なずるさなのか、とにかく、その不合理性こそ人間的だなどと言って、世の中を複雑にして利益を得ている輩が多いのでしょう。それが人間の面白さでもあり、くだらなさでもあるのでしょうか。ご提案のような話が、国会で真面目に議論される風景を想像してみるのは痛快です。
Posted by 武田充司 at 2008年11月17日 22:19
追記:大事なことを忘れました。実は、僕は、一票の格差を無くすべし、の立場が絶対正しいとも思っていないのです。選挙区の面積比例というのも重要だと思っています。人口稠密な東京人間が、岩手県の山村のことを支配し過ぎないようにするために。
 数式表現や、コンピュータ演算は、その基本となる価値観や原則の、客観的で分かり易い表現形式だと思うのです。
Posted by 武田充司 at 2008年11月17日 22:48
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