2013年11月01日

鳴く虫日記(その10)/新井 彰

 庭でカンタンを自然発生させ、鳴かせてみようと、3年越しの計画を立てました。先ず一昨年、ヨモギとクズを静岡の家の裏庭に植えて育て、必要な餌と産卵場所を準備しました。カンタンはヨモギやクズの葉を好んで食べます、そしてヨモギの茎に卵を産みます。

 その庭に、昨年の8月山梨県韮崎の辺りの里山(レイクウッド明野コースのすぐ近く)に行って捕まえたカンタンの成虫を沢山放ちました。放ったカンタンは9月にかけてよく鳴いてくれました。クツワムシやスズムシなどは放虫した場所からだんだんと他の場所に移動して行ってしまいますが、カンタンは私が準備した場所を気に入ってくれたのか移動していきませんでした。

 冬になって枯れたヨモギの茎をみると、小さな産卵孔が方々で見つかりました。うまい具合に卵を産んでくれたようでした。
 あとは自然にまかせて何もしませんでした。今年の春になるとヨモギには新しい芽が出て、初夏には背の高さにまで大きく育ちました(庭の写真の左側がヨモギ、右奥にクズ)。カンタンが自然発生した裏庭.jpg
カンタンが自然発生
した裏庭
 しかし、ヨモギの葉の中を探しても幼虫の姿はさっぱり見えないので、果たしてちゃんと生まれて育っているのか一向に分かりませんでした。まぁそのうちに鳴き出してくれるだろうと、気長に待つことにしました。

 そして7月の末、鳴き始めました! 自然発生に成功です。 以来9月の初旬まで毎夜鳴き続けて楽しませてくれました(添付の録音ファイル)。

 もう一つの写真は、里芋の葉の上で鳴いているところを撮ったもので、このようにカンタンは草の葉などを共鳴器として利用して鳴くと言われています。フラッシュを点けて接写しても鳴き止みませんでした。里芋の葉で鳴くカンタン.jpg
里芋の葉で鳴く
カンタン
 来年もまた自然に発生して鳴き出してくれるのを期待しています。
posted by でんきけい at 00:00| Comment(1) | 新井レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よく鳴いていますネエ。ヨモギの栽培から始めて、飼育籠の中でなく庭の草むらの中でここまで育てたのがホントウにすばらしい。感動しました。来年も再来年もよい声を聴かせてくれることでしょう。
Posted by サイトウ at 2013年11月01日 21:27
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