2016年07月01日

仔犬(ニ伸)/斎藤 嘉博

  5月のある週末、娘たちがお父さんの米寿のお祝いにと軽井沢での一泊を設定してくれました。
  下の娘が飼っている二匹のチワワと我が家の仔犬をあわせた三匹がお伴。もっともお伴が主で犬たちと一緒にリゾートを楽しもうというのが彼女たちの本音だったかもしれません。南軽井沢の林の中に建てられた20坪余、一戸建ての2LDK。コンドミニアムなみに装備もしっかりして、バーベキューのできるウッドデッキのテラスと専用のかなり広いドッグランがついていました。
  私が仔犬のことをこのブログに寄せたのはもう3年ほど前、2013年の7月でした。大曲大兄から頂いたコメントに“後日談を期待しています”とあったのを思い出して、あっそうだった。この三年の間に世の中はもう犬に飽きて、というよりは飼育が楽とのことでテレビの番組も猫に軸足を移し世は猫の時代に変わりつつあるようです。いまさら後日というには少し遅すぎたようで恐縮ですが、その後の様子をご報告させていただきましょう。

  前回書き落としましたが名前はココちゃん。昔は犬の名前はほぼポチと相場が決まっていましたが、この頃はロロ、ドド、ジュジュ、フルフル、クロクロなどとまるでムーランルージュの踊り子のように多彩な名前(注)。仔犬 1(80%).jpg
  犬と人間の年齢を比較しますと、一般に最初の一年には20日で人間の1歳に相当する時間、2年目からは1年ごとに4歳分の齢をとるのだそうです。ということはすでに3年の誕生を迎えたこのワン公は26歳。もう妙齢のご婦人です。その齢のせいでしょうか、あるいは幼稚園に通ったり、躾けの先生が来たりの成果でしょうか、ココちゃんも昔にくらべるとすっかり落ち着いてきた、分別がついたと言っていいでしょう。あちこち齧ることもなくなりましたし、ハウスと言えばすぐに自分のケージに入っておとなしくしています。そして大好きなのが毎日の散歩。
  私は前に宣言しましたように一切散歩にはかかわりません。娘が朝、家内が夕方に毎日散歩に連れて出かけます。これまで2回だけこの散歩に付き合いましたがワン公、郵便屋さんのバイクが大好き?バイクの音がすると座って石のように動かないそうです。配達が終わってバイクのところに帰ってくるとキャン。そんなことから郵便屋さんとも仲良くなって、Tさんは「飼っていた犬が死んだんだ」としょんぼりとココちゃんに餌をくれ、撫でてくれたそうです。犬を飼ってみると犬と一緒に散歩している人の多いのが目立ちます。犬を散歩させている同志というだけでそこに会話が出来るのですから面白い。あまり社交的ではない家内ですが、今日はどこの犬と出会って、犬はどう飼い主さんとこんな話などと。そういえばディズニーアニメの「101匹わんちゃん」もダルメシアンの散歩が縁のとりもちでした。反面ココちゃんの大嫌いなのがどういうわけか踏切の信号機が鳴る音。散歩のときに踏切の方向には絶対足を向けないそうです。過日テレビで踏切の事故についての放送があったときにカンカンという音と映像が流れたらさあ大変、パニックになって逃げ回り、それ以来テレビがすっかり嫌いになりました。
  じっと庭を眺めるのもココちゃんの日課。やってくるムクドリには見向きもしませんが番のキジバトが来て暖をとるのでしょうか地面に座り、あるいはツクバイで水浴びをしているといつもとは違う一オクターヴ高い声でキャン!遊びたいという意思表示ですが、ハトのほうは全く無関心、しらん顔。
  寒くなれば暖房、少し暑くなるとエアコンと家内は気を遣います。夏、早い時期からのエアコンに苦情を言いますと「貴男は薄着をすればいいけれどココちゃんは夏でも毛皮をきたままなんですから」と。そういえば昔社内に冷房が入ったとき部長が「エアコンは君たちのためにではないぞ。コンピューターのためなんだぞ」と言っていましたっけ。

  犬を飼ってみるとペット産業の大きいことにあらためて驚かされます。医者はもちろんペットホテル、ペット同伴リゾート、ショップの食品、道具、書籍などなど。様々な雑誌が出ているのにも驚かされます。これまで気が付きませんでしたが高速道路のSAにもドッグランが備えられているんですから。犬同伴のドライブの方が多いということでしょう。
  過日鬼怒川の堤防が決壊した折、愛犬を抱いて屋根の上に難を避けている家族の様子がテレビに撮影されていましたし、調布での小型機墜落の際にも猛火の中、犬を助けようとした女性が亡くなった事故が報じられていました。その方々の気持ちはよくわかります。そんなことがあればおそらく家内も私よりココちゃんの救出を優先するでしょう。「だってあなたは自分で逃げられるでしょ、ココちゃんはどこに行ったらいいかわからないもの」という声が聞こえてくるようです。
  何の世話もしない私ですが、それでも私が外出から帰ってくると飛びついてきてペロペロとキスをしてくれます。そして細かい表情や犬語も次第に理解できるようになりました。 仔犬 2(83%).jpg
  何事も自分の身近に体験してみないとわからないものです。すっかり我が家の一員となって思いのままにあちこちの部屋を巡り歩いているワン公。我が家の食事時の話題の8割はココちゃんに関わることになっています。こうしてわたくしの初期の目的はほぼ達せられているようです。

(注)このセリフ、オペレッタ、メリーウィドーの一節から
posted by でんきけい at 00:00| Comment(0) | 斎藤さんのお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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