2016年12月01日

アスペンとリエパ/武田 充司

  先日、信州の山の中の温泉で数日過ごしてきた。ちょうど紅葉が見ごろで、特に朝夕の山の眺めは格別だった。そのとき思い出したのが、昔、コロラドのボウルダー(Boulder)に2年ほど仕事で生活したときのことだ。
  ボウルダーはコロラド・ロッキーの麓にあるから、ちょっとドライヴすればロッキー山脈の懐に入り込める。秋になると、乾燥した空気の中で黄金色に輝くアスペン(aspen)の紅葉ならぬ「黄葉」を存分に楽しめる。その豪華な輝きを浴びるために、天気のよい週末にはよく出掛けたものだ。
 ところが、それから20年以上も経って現役を退いたあと、毎年、夏の終りから冬の初めにかけてリトアニアの首都ヴィルニュス(Vilnius)に住んで仕事をすることになった。そんな生活が10年近く続いたが、足早にやってくる北国の冬の直前を、これまた黄金色の輝きで飾ってくれるのがリエパ(liepa)の「黄葉」だった。コロラド・ロッキーのアスペンに負けず劣らず、それは見事な黄金の輝きで道行く人を包んでくれる。
  僕のお気に入りの散歩道は、ゲディミナスの城の下から聖ペテロ・パウロ教会へ向かう道だった。リエパの落葉で覆い尽くされた黄金の絨毯の道をゆっくり歩いて教会まで行くのが楽しみだった。
 リエパの並木道をリトアニア語で「リエプ・アレヤ」(liepų alėja)というが、これは日本の銀杏並木のようなものだなあと思った。
 そして、もうひとつの楽しみは、ヴィルニュスからカウナスに向かう国道A1の途中にある白樺並木の黄葉だった。毎週、カウナスの大学で講義をするためにこの道を往復したのだが、あの立派な白樺並木が黄金に輝く期間は長くはない。直ぐに陰鬱なリトアニアの長い冬がやってくるのだ。
posted by でんきけい at 00:00| Comment(1) | 武田レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
2010年のクラスブログで、武田兄がBoulderに2年住んでいたことを知り、驚くとともに懐かしい思いでした。私がBoulderを初めて訪れたのは、1997年3月3日(土)です。ダラスで開催されたINTELECOM'97で、光通信で有名なコロラド大学のG教授からパーティーに招待されました。金曜の晩にDenverに飛び、Plattevillの茂子おばさん宅に泊まり、翌日車でBoulderのG教授宅に送ってもらいました。夜暗くなってから、G教授がPlattevillまで車で送って下さったので恐縮しました。秋ではなくて、黄色のアスペンを見ることは出来ず、その後も見る機会がなくて残念です。茂子おばさんも一昨年97才で天寿を全うしました。現在は、孫と曽孫がBoulderに住んでいます。曽孫の一人がコロラド大学の研究所でバイオの研究に従事しています。
Posted by 大橋康隆 at 2016年12月03日 16:42
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。