2018年12月16日

近頃思うこと(その37)/沢辺 栄一

 今年は明治150年ということで、それに関する新聞記事が書かれ、雑誌、図書が各種出版され、また、記念行事も開催された。
 これ等のことが契機となって、私も幕末、明治維新、明治時代について知りたくなり、当時に関する各種の歴史書等を少し読んで、強力な欧米諸国の植民地にならないように努力し、白色人種の独占物に思われていた西洋近代文明を有色人種も身につけることができることを示したことを確認した。

 長崎平戸からオランダからの西欧状況は入っていたが、ペリーの来航で危機感が高まり、欧米文化・文明を知る必要に迫られ、幕府は1860年に勝海舟船長の咸臨丸も同行し、アメリカの詩人ホイットマンがブロードウェーの華麗なる行列と詩「草の葉」の中で詠った新見遣米使節を、1962年に竹内遣欧使節を、1963年に日本人グループで初めてピラミッド、スフィンクスを訪れた池田遣仏使節を、1865年に柴田遣欧使節を、1866年に小出遣露使節を、1967年に徳川民部大輔遣仏使節を次々と派遣している。また、留学生も多く派遣されている。特筆すべきは出来たばかりの明治政府が1871年廃藩置県直後に岩倉米欧使節団を派遣したことである。初期明治政府のトップの重鎮達が自ら欧米先進国の実情を観て、わが国の政策方針の参考とするために米国欧州に旅行に出かけ、約1年10ヶ月掛けて比較的ゆっくりと米国、欧州各国、全12カ国の都市を訪れ、その要人と会い、各種の施設を直接眼で観た行動である。派遣された重鎮はこの派遣により日本が欧米各国に約40年から50年遅れていると感じ、わが国はこの遅れを取り戻すことができると確信した。また、驚くべきことは、残留留守政権が学制公布、徴兵令の施行、地租改正の実施等近代国家に必要なことを早急に行なったことであり、当時の日本の人材の豊富なことに感心した。

 自分たちより進んだ文化、文明を外国から取り入れる習性は奈良時代の遣隋使以来の日本特有なもので、この性癖は明治時代にも発揮された。幕府が締結した修好通商条約による治外法権等局地的には植民地的な部分もあったが、全体的には危機感を持って欧米の援助を断り、植民地にされないよう判断努力し、植民地にならずに済んだ。中国、インドでは西欧文明の導入を拒んだため、西欧の軍事力に屈服させられ植民地化された。当時のインテリである武士層を始めとしてわが国の指導層の判断力、批判力、評価力、危機感、知力、実力主義、優れた柔軟性に敬意を表したい。また、当時、福沢諭吉の「学問のすすめ」に書かれているように、個人の独立があって国の独立が出来るとし、独立自尊の必要性が強調されている。

 明治時代の最大の危機はロシア南下に対する危機感からの日露戦争であるが、全国民の団結、軍人の経験力と新しい武器創意力、国としての能力限界の把握等により普通では勝てないこの戦いに勝利できたことは幸いであった。この勝利は有色人種の国家でも白人に勝つことができることを世界に示した事件であり、不平等条約が解消できたことにも繋がり、国家の完全独立を果たすことが出来た。

 明治維新、明治時代の先人の行動を省みて、現在の日本は如何であろうか。
 大東亜戦争敗戦後70数年経っても、アメリカによるWGIP(War Guilt Information Program)と連合国による東京裁判による思考の偏向と虚偽の歴史強制認識が今日まで影響を与えているように感じる。
 明治の初期の新しい西欧文化に対する日本人の盲目的な心酔振りの例として、東京医学校の内科医学正教授としてドイツから招聘されたベルツの日記に、当時の教養ある日本人が「何もかもすっかり野蛮なものでした」とか「われわれには歴史はありません。われわれの歴史は今からやっと始まるのです」と自虐的な発言が記されており、その国土固有の伝統文化を軽視すれば欧米諸国人に信望を得ることは出来ないとベルツは警告している。この謙虚な考えが強調されている自虐の性癖は戦後の日本人にも伝わっており、日本が世界に対して悪いことを行なったとの考えが蔓延している。
 1951年の平和条約により形としては独立したことになっているが、アメリカにより国が守られており、一種のアメリカの属国になっている。明治時代の全国民が達成した完全独立は現在なお出来ていないと思う。

 完全な独立を一日でも早く実現し、国際的に無法行動を行なっている隣国の代弁者になっているマスコミのA社、M社等および似非文化人の覚醒と幕末、明治人の西欧に対して感じた危機感に相当する隣国に対する更なる危機感の惹起を望んでいる所である。
posted by でんきけい at 00:00| Comment(0) | 沢辺レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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