2021年03月16日

ザイオン国立公園/齋藤 嘉博

  ブライスキャニオン国立公園のゲートから50マイルほど走って、トンネルをくぐり急な坂道を下りたところがザイオン国立公園の入り口。昨年の稿(12/01)にご紹介したアメリカの国立公園訪問者数では5番目の国立公園です。私にはこの“地味な国立公園が5位?”とちょっと意外。諸兄のなかでもここを訪れた方は少ないのではないでしょうか。
  公園のオフィシアルロッジはどこも半年以上も前に満員になるのが常で、私共も一晩の宿しか取れず、あと二日はゲート直近のモーテルに。ロッジの前を流れるバージン川の前も後もそそりたつ何百メートルもあろうかという高さの崖の下。しかし山の中の澄み切った空気がすっかりと胸の中まできれいにしてくれました。
  公園内はドライブ禁止。その代わりに二両連結のバスが頻繁に走って主な観光地点へと運んでくれます。この公園の眼玉はエンジェルスランディングへの登山と水の中をジャブジャブと歩いて行くナローズ。
ザイオン4.jpgザイオン2.jpgザイオン5.jpg
ザイオン渓谷
エンジェルスランディング
への鎖場
ナローズへの川歩き
  一晩を暖炉の前で過ごして翌朝、バスに乗ってエンジェルスランディングへ。かなりの山道を歩いて到達したランディングへの入り口からは鎖にすがって上がる岩場。上までと張り切ってしばらく上ったのですが、行きはヨイヨイ帰りはコワイ。これは装備も体力も十分でない我々にはちょっとヤバイと頂上を見上げながらあきらめて引き返し、別のハイキング道を歩くことにしました。片側は切り立つ崖、反対の側はバージン川の流れる切り開かれた谷の景色。道端には沢山の野草やサボテン、そしてミュール鹿。崖の上の方、どこからか水が落ちてきています。ウィーピングロックという名前が気に入りました。カナダのロッキーにも同じ名前のものがありましたっけ。オブザーベイションポイントからは先ほどのバスが蟻のように。なかなか気分のいいハイキングでした。

  ロッジに帰って崖を見上げながら、なんだかグランドキャニオンをコロラド川まで下りた感じだネと家内と話をしていたのですが、それはあたっている感覚でした。その夜、ビジターセンターで買った本を読みましたら、この辺りは太古に隆起したコロラド平原。
  それをコロラド川の流れと雨風が削ってグランドキャニオンができ始めたのは古生代、ほぼ3億年も昔のこと。そしてこのザイオン国立公園は時代が下がって中生代、1,5億年前の地質の話でスケールは大分違いますが、やはり平原をバージン川と風雨が削って出来たのだそうです。ザイオン1.jpg

  お隣のブライスキャニオン国立公園の生成はさらに下って新生代、三千年ほどまえに浸食がはじまったという。いずれも気の遠くなるようなお話しですがこうしたことをはじめに学んでいれば、先ほどのハイキングの景色に中世ジュラシック期の感触を味わうことが出来たのかもしれません。やはりちゃんと予習をしておくものですネ。

  翌日はもう一つのポイント、ナローズへ。バスの終点、テンプルオブシナワバから10分ほど川沿いに歩いて川床へ。そこにちょっとした人だかりが。「アレ、大きな蜘蛛!」と私が口にしたとたんに隣のおじさんが「いや、これは蜘蛛ではなくてタランチュラだよ」と。そうですよネ。蜘蛛なんていう大きな分類ではなく次の科の名前での知識。小さいときからの教育でしょうか。しばらくタランチュラのダンスを見ながら子供のころからの教育の大切さを考えていました。

  さて目的はナローズの探検。ここから川のなかを30分ほど歩くと両腕を延ばせばとどくほど高い両岸の岩が狭く迫っているところ。若い人たちが次々と水の中を歩いて行くのですが、ジャブと入ってみるとけっこう冷たい。それに水濡れの後始末も考えると、昨日のエンジェルスと同じようにこれはとても装備と体力が十分ではない我々素人の歩く川ではなさそう。行ってみたいという気持ちとやめた方がという気持ちが交錯してしばらく川面を眺めていましたが、やはりヤメタ!ダメですネエ。オトシですネ。でもしかたがないでしょう。若い方達が楽しそうに水の中を歩いて行くのを見ながら、なるほどこれなら訪問客の数が多いのも頷けると納得したのでした。

  この旅、実はブライスキャニオンを訪ねることが目的で、せっかくの機会だからお隣のこのザイオンを訪ねてみようと思い立ったもので、予習不足、準備不足。それでも大変楽しい、勉強になった200310月の3日間でした。ブライスキャニオンについてはまたいずれ稿をあらためて。ザイオン7.jpg
ザイオンの印象

  写真はビデオからの再撮像ですのでよくありません。ネットで「ザイオン国立公園」とインプットするとなかなかよい動画をUチューブで見ることが出来ますので是非覗いてみてください。

posted by でんきけい at 00:00| Comment(2) | 斎藤さんのお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
残念ながらおっしゃる通りザイオン、ブライスキャニオン国立公園共に訪ねて居りません。1976年8月に西部を廻った時ですが、ソールトレークシティから南下の折、もう少し東のルートを走り、アーチスとキャニオンランド国立公園を覗き見してから、コロラド州のメサベルデ国立公園で先住民族の遺跡を見ました。この辺りは本当に見どころが多くて選択に苦労した記憶です。
 それにしても斎藤さんは本当にあちこち廻って居られますね。感心します。
Posted by 小林凱 at 2021年03月17日 15:38
残念ですがおっしゃる通りザイオン、ブライスキャニオン両国立公園共に訪ねて居りません。
1976年8月に西部を廻った時ですが、ソールトレークシティから南下の折もう少し東のルートを取りました。アーチスとキャニオンランド両国立公園を覗き見してから、コロラド州のメサベルデ国立公園を訪ねました。この後はデンバーへ行く為、ザイオン迄周る余裕は無くなりました。
 それにしても斎藤さんは本当に良く廻って居られるのに感心です。
Posted by 小林 凱 at 2021年03月17日 16:09
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